ヒトパピローマウイルス6、11型などが原因となるウイルス性性感染症で、生殖器とその周辺に発症します。低リスク型(6 、11 型)であり、子宮頸がんの原因となる高リスク型HPV(16 、18 、31 型など)とは別の型です。
主な症状は、表面が刺々しく角化した隆起性病変が特徴で、 淡紅色〜褐色の乳頭状、鶏冠状、あるいはカリフラワー状と表現される小さなイボが出現します。イボの色は灰色のことが多いですが、ピンクや白、黒、茶色などのこともあります。
好発部位は
【男性】
陰茎の亀頭部、冠状溝、包皮内外板、陰嚢
【女性】
膣、膣前 庭、大小陰唇、子宮口、また男女とも、肛門及び周辺部、尿道口
その他にも共通して肛門内、尿道、舌、口内などにできることもあります。
潜伏期間は感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、およそ3週間〜8ヶ月程度になります。
自然治癒することもありますが、放置してしまうと、徐々に大きくなり、他の箇所に広がります。
・感染経路
主に性行為によってうつります。
性器同士が擦れることで、粘膜表面の傷からウイルスが感染します。
中には、感染経路がはっきりせず、うつるような覚えがないのに感染してしまうこともあります。
・治療方法
外科的治療には、切除、CO2 レーザー蒸散法、電気メスによる焼灼(しょうしゃく)法や液体窒素による凍結法があります。
CO2 レーザー蒸散法は、治療による周辺組織の損傷が少ないこと、高い治療効果が速やかに得られることから最も優れているといわれています。
治療機器はクリニックによって異なります。
薬物療法としてはベセルナクリームを塗布する方法があります。
どちらにしても病院で治療する必要があります。
問診、視診、触診にて診断しますが、実際に診察を受けるとコンジローマではなかったなどのケースもあります。
判断が難しい場合は病理検査といって採取した組織の検査を行います。切除した箇所が傷痕になることもあります。
切除したからといって、皮膚や粘膜にもウイルスがいますので、必ずしもすぐに完治するわけではありませんし、再発することもあります。
定期的に検査、経過観察をして、再発の早期発見に努めることが必要です。
本人が治癒しても、パートナーがHPV を保持しているかぎり再感染の可能性があるので、パートナーも必ず専門医を受診し、症状があれば治療をすることが重要です。
・予防方法
コンドームが効果的ですが、ゴムを装着されていない皮膚からの感染を完全に防げるわけではありません。ですが感染率を下げることができます。
また、抗ヒトパピローマウイルスワクチン(抗HPVワクチン)の中の4価ワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPV16型、18型だけでなく、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型、11型にも予防の効果があります。