PR

C型肝炎(HCV)とは

性感染症情報コラム
記事内に広告が含まれています。

C型肝炎ウイルスに感染することによって肝機能障害(肝炎)を発症する病気であり、性感染症(STD)の一種です
感染者の70%が生涯にわたり感染が持続する慢性肝炎(持続感染)となり、症状が出にくいため気づかぬ内に肝硬変、肝臓がんへと進行する可能性があります

【感染経路】
主な経路としては、感染者の血液を傷口のある皮膚で触れたり針刺し等の血液感染になります
C型肝炎ウイルスは感染者の血液中のウイルス量は少なく、唾液含む体液(精液や膣分泌物)にウイルスが含まれていないと言われています。そのためノーマルな性行為による感染はほとんどありませんが、生理中であったりアナルセックス、出血を伴う行為や粘膜損傷の可能性がある性行為では感染する可能性は高くなります
母子感染や普段の生活の中での感染者とのハグやキス、同じ飲食を共有することによる感染伝播はありませんが、ピアスの共有や不衛生な環境(機器の使いまわしや不十分な消毒)での入れ墨など、傷や出血を伴う粘膜損傷がある場合での接触は感染伝播の可能性はあります

【潜伏期間】
2週間~6ヶ月

【症状】
倦怠感や食欲不振などですが軽度で気づかないことが多いです
※初期症状は80%程の方が気づかないと言われています

【放置するとどうなるか】
自覚症状はないまま慢性肝炎を発症することがほとんどですので、放置すると肝硬変、肝臓がんへの移行、と命にかかわる可能性があります
※肝臓は沈黙の臓器と言われる程、無症状無自覚のまま病状が進行することが多いため要注意です
 肝臓がんを発症する原因として、C型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスが約75%を占めています

【検査方法】
ほとんどの病院で検査可能
症状がある場合は保険診療、症状がなく調べたい場合は自由診療となります

【治療方法】
70%程の方が慢性化しますが、症状によっては
・抗ウイルス療法
・肝庇護療法
を行うこともあります

【予防方法】
C型肝炎のワクチンは現段階では開発されていないため、
・他者の血液に触れない
・血液の付着している可能性が少しでもある物に触れない、共有しない
・入れ墨等は機器の清潔状況を十分お店へ確認する
・性行為時にはコンドームを装着する

ヘルペスとは
ウイルスの一種である単純性ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-1)、単純性ヘルペスウイルスⅡ型(HSV-2)の感染による性感染症の一つです
この2種類のウイルスは感染すると潜伏する場所が異なり、Ⅰ型は口唇ヘルペス、Ⅱ型は性器ヘルペスとなることが多いと言われていましたが、近年オーラルセックスが一般化していることもあり、潜伏場所が異なるはずのウイルスによる感染での発症を認めておりウイルスの型による区別はほぼなくなっています
※同じヘルペスウイルスでも、帯状疱疹を発症させるヘルペスウイルス(VZV)とは種類は異なります。

【感染経路】
主な経路としては、水ぶくれ、唾液、涙液による体液感染になります
オーラルセックス含む性行為や、性行為でなくても体液の付着した生活用品(タオルやコップ、便座や食器)と接触することで感染する場合もあります
お風呂等のお湯で感染することはないですが、アトピー性皮膚炎や陰部に皮膚炎を発症している方は感染する可能性があります
臀部に発症した場合には気づかない事が多く、便座を介して家族やその他便座共有者へうつす事は多いようです。
また、女性の場合には浴室の床に直接座ったりすることでうつる事もあります
※特に水ぶくれの中にはウイルスが沢山存在するため注意

【潜伏期間】
2日~10日

【症状】
※初めて感染した場合は、特に症状が強く出ると言われています

口唇ヘルペス:
・ピリピリ、チクチクするような違和感やかゆみ
・唇やその周りに軽い痛みを伴う赤茶色の水ぶくれができる
・あごや耳の近くのリンパ節の腫れ、扁桃腺が腫れる
・つばを飲み込む時に違和感を感じる
・発熱

男性性器:
・性器や肛門周囲に痛みやかゆみ、排尿時痛
・1~2mmの赤茶色のブツブツや水ぶくれが出現、3~5日経過すると水ぶくれが破れて浅い丸い潰瘍を形成する
・太もものリンパ節の腫れや痛み
・発熱や患部の痛み
・頭痛
※男性の場合非常に再発がおきやすく、50%以上の人が3ヶ月以内に再発するといわれています

女性性器:
・性器や肛門周囲に痛みやかゆみ、排尿時痛
・性器の周辺に激しい痛み
・歩行時の痛み
・太もものリンパ節の腫れや痛み
・発熱や患部の痛み
・頭痛
※男性よりも女性のが強く症状が出るため、排尿ができなくなる場合もあります
※稀ですが、ウイルスが髄膜の方へ進行して髄膜炎を発症したという例も報告があります。

【放置するとどうなるか】
※単純ヘルペスウイルスⅡ型(HSV-2)に感染していると、HIVにも感染し易くなると言われています。
HIV感染者の60~90%が単純ヘルペスウイルスⅡ型(HSV-2)に感染しているとWHOの統計で立証されております(WHO Herpes simplex virus Fact sheet N400 2015より)。性器ヘルペスを発症することで、炎症部分からHIVウイルスに感染し易くなるためと考えられます。
HSV-2とHIVどちらに感染していても、互いに感染し易くなってしまうため、放置せず早期治療が望ましいです。

・症状としては、放置することで水ぶくれが破裂して潰瘍形成となり強い痛みを生じますが、乾燥して枯れると自然に治癒します

【検査方法】
ほとんどの病院で検査可能
採取項目:採血や水ぶくれや潰瘍形成のある場合はスワブでの拭い検査も可能(採取項目は病院によります)
症状がある場合は保険診療、症状がなく調べたい場合は自由診療となります

【治療方法】
抗ヘルペスウイルス薬
※ヘルペスウイルスは一度感染してしまうと体内からヘルペスウイルスを取り除くことは出来ないため、生涯に渡って神経節にウイルスは潜伏します。そのため、特にストレスや過労、発熱時など免疫が低下しているときに再発を繰り返し易い病気です。
女性の場合は月経を契機として、再発される方もいます。

★再発を繰り返す方には…
備える治療としてPIT療法が2019年2月より「ファムビル」が保険適応となり、2023年2月より「アメナリーフ」も処方可能となりました。
 対象者
・再発性の単純疱疹の方
・同じ病型の再発頻度が年間3回以上の方(※ファムビルの場合のみ。アメナリーフは回数規定なし)
・再発の初期症状を正確に判断できる方
 服用方法
「ファムビル」➡2回服用で治療
口唇ヘルペスや性器ヘルペスの初期症状出現後、6時間以内に1回目の4錠を服用、その後12時間後に2回目の再度4錠を服用
「アメナリーフ」➡1回服用で治療
口唇ヘルペスや性器ヘルペスの初期症状出現後、6時間以内に6錠を1回のみ服用

【予防方法】
・水ぶくれなど症状を発症している方との接触を避ける
・コップやタオルなど共有を避け、こまめに手洗いを行う
・性行為時は必ずコンドームを装着する
・栄養バランスの良い食事を摂って、十分な休息を行い体力や免疫力をアップさせる
 必須アミノ酸リジン:ウイルス感染症に対して抵抗力を高める効果を持つとされ、ウイルスの働きを抑制して発症率を低下させた
 り、発症しても回復を促進したりすることが期待できます
 ★リジンを多く含む食材:豆腐・納豆・カツオ・鮭・鶏肉・豚肉・牛肉・そば・ヨーグルト
 ★症状出現時に避けるべき食材:チョコレートやナッツ類、カフェイン
 (ヘルペスウイルスの栄養分となる、必須アミノ酸のアルギニンが多く含まれるため)